■志望業界を絞るとは?
モノづくり産業を広く見渡してみて、皆さんも就職先のターゲットとなるような業界がいくつか見つかってきたのではないでしょうか?ここでよくある質問が、「志望する業界を絞るべきか…」ということです。興味を持っている業界は複数あるが、実際にインターンシップに参加したり採用選考試験を受けたりするにあたっては、対象とする業界を一つに絞って集中して研究なりエントリーを進めていった方が良いのではないか、また、その場合に絞り方に何か方法はあるのかという疑問をもっている人は多いのではないでしょうか。
しかし結論として、志望業界は“無理に絞る必要はない“と私は考えています。
■大事なのは一貫性!
実際に採用選考試験に携わっていると、受けている企業の所属業界がバラバラな学生はよく見受けられます。こういった方に遭遇した場合、「どうしてうちとは全く違う業界も志望しているのですか?」と質問してみると、概ね二つの反応に分かれることになります。一つは、確固たる企業選び、仕事選びの軸を持っており、それに合致する要素を持っていれば特に業界は問わずに企業を探しているという方です。こういった場合は、どんなことを重要視して受験先を選んでいるのかと確認すれば、たとえ業界が違ってもそれぞれの企業を受験している理由に一貫性があり納得ができます。問題なのは、特に意図を持たず、複数業界の中でなんとなく気に入った企業を総ざらいで受験しているというケースです。こういった人は、複数の業界のリーディングカンパニーやよく名前を知っている企業を数社ずつ選び、片っ端からエントリーしているというケースが多いようです。この場合、各企業を目指すにあたっての明確な理由は特になく、ただエントリーをしているだけということになりますので、当然のことながら「志望動機」が弱くなります。なぜその業界やその企業、仕事を目指しているのかをあまりはっきりと主張できないのです。そのため、その業界や企業に強いこだわりを持って受験してきている他のライバル学生に勝てず、内定を獲得できないという状況が続いてしまいます。これは、就職活動でよくある典型的な失敗パターンなのです。
■就職活動の軸(仕事選びの軸・企業選びの軸)を確認することから始めよう
仕事選びの軸・企業選びの軸とは、皆さんが就職先を選ぶ際に絶対にはずすことができないと感じる自分なりの「条件」のことです。将来40年近くに渡って携わっていくことになる仕事です。これだけは絶対にはずせない!と皆さんなりに心に決めた条件が必ずあるはずです。この条件を明らかにするのが、いわゆる自己分析の重要な目的の一つということになります。
ここに、簡単なワークシートを用意してみました。現時点であなたが、どんなことを重要視して業界や企業を探そうとしているのかを確認してみましょう。それがある程度明確になったのならば、その条件がどんな業界や企業であれば満たされるのかをリサーチするのが、業界・企業研究だと言えます。
〇ダウンロード
志望業界の選び方 ワークシート
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