イメージするキャリア像によって有利不利は変わってくる!
現在、理系学部(または大学院)の方が、理系職種における今後のキャリア形成を考えているなら、どのタイミングで就職するのかが非常に重要になります。 例えば専門性を活かして就職したいなら、研究実績が選考ポイントになることもあり、大学院で研究を継続してから、就職するほうが有利に働くこともあります。ただし、これは選択肢の一つであり、職種や業種によっては学部卒のほうが就職に有利な場合もあります。
そこで、このコラムでは学部卒・大学院卒の両方の就職とキャリアについて、それぞれのメリット・デメリットを解説し、将来を見据えたライフスタイルやキャリア形成に役立つ内容をお届けします。これから就活に力を入れたい方はもちろん、すでにキャリア形成を真剣に考えている方も是非ご一読ください。
1. 学部卒のメリット・デメリット
理系学部卒として理系職種に就職したいと考えるなら、なるべくならご自身の専門を活かせる研究や開発をしてみたいと考えるでしょう。特に大手企業の研究・開発職は、修士か博士が就職条件になっている場合が多く、また職種別採用を行っている企業はその傾向が強くあります(もちろんそうでない企業もあります)。反対に、上記以外の企業の場合は、学部卒でも研究・開発に携われる場合は増えると言えるでしょう。
理系学部出身者は上記の影響もあり、大学院に進学する割合が文系学部と比較しても高く、特に理学部の大学院進学率は40%を超えており、工学部の大学院進学率も40%に迫る勢いです(2018年度、文部科学省「学校基本調査」より)。その現状からも希望の職種に就くためには、進学やむなしという風潮があるように見受けられます。
ただし、本来、大学院はさらに専門性を活かして研究を行うところであり、全ての方が就職のために進学しているとは限りません。本当にその道が自分のやりたいことにつながっているのかを熟考していくことが最も大切です。
また、就職すると大切になるのは大学で得た知識だけではありません。職場では柔軟な思考やコミュニケーション力も、要求されますから、早く就職した方がこれらのスキルは身に付きやすいのです。つまり、ビジネスに必要なスキルを習得するのなら、学部卒の方が大学院卒よりもアドバンテージが大きいと言えるでしょう。その上、専門性よりはポテンシャルを重視される分、幅広い業務に携わる機会が多いというメリットもあります。
しかし、理系学生特有の就職活動には学校推薦があります。学校推薦は、大学院生が中心の受験方法です。そのため、学部卒の方は自由応募中心に活動せざるを得ない点はデメリットと言えるかもしれません。
また、将来、専門性のある部署で働きたいと希望しても、最初は営業などに配属されるかもしれません。これは一見すると学部卒のデメリットに見えるかもしれませんが、実はメリットでもあります。様々な部署を経験することで視野が広がり、幅広い業務知識を身に付けることができます。それは将来、専門性のある部署で働く場合でも、必ずその経験を活かすことができるはずです。
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